小平市議会、6月の定例議会での三輪ひろみの一般質問は以下のサイトからご覧になれます。
最初に要旨を、その後に文字起こしを示します。
【要旨】
質問1:介護保険制度の危機を防ぎ、高齢者も現役世代も安心できる制度へ
背景と問題意識
介護保険制度が発足して25年が経過する中、制度認定者数は2022年末時点で制度発足時の3.2倍、利用者数は3.5倍に膨らんだ。一方で制度を支える担い手は深刻に不足しており、介護離職が年間10万人に上るなど家族への負担も重くなる一方である。2025〜2026年度は第10期小平市地域包括ケア推進計画の改定年にあたることから、三輪議員は今回の一般質問でこの問題に集中的な質問を行った。
訪問介護事業所の廃業・経営難
2024年4月、政府は訪問介護の基本報酬を2.3%引き下げた。これにより全国的に経営難・倒産・廃業が急増し、全国の老人福祉・介護事業の2024年度倒産件数は172件(うち訪問介護81件、東京商工リサーチ調べ)に達している。市内では2025年度に4件の廃止届が出ているが、市(健康福祉部長)の答弁では「統合や業種転換による廃業であり、経営難による倒産・廃業ではない」との認識を示した。三輪議員は、岩手県花巻市・宮古市が独自に赤字訪問介護事業所への支援金給付事業を実施していることを挙げ、小平市でも実態調査を行うよう求めたが、市は「日々の情報連携の中で把握していきたい」とするにとどまった。
全国では市町村の2割超で訪問介護事業所がゼロか残り1か所という状況が生まれており、在宅生活を支える基盤が失われつつある。こうした現状に関して三輪議員は「地域包括ケアに逆行する」と指摘したが、市は「地域によって様々な状況がある」と国の制度設計を見守る姿勢を示した。
また、5月22日の衆院厚生労働委員会で可決された改定案には、中山間地・人口減少地域を対象に人員配置基準を緩和する「特定地域サービス」の創設が含まれており、将来的な大都市部への導入も検討されているという。三輪議員は報酬引上げを伴わない配置基準緩和は過重労働・離職増・現場破綻を招くと警戒感を示したが、市は「小平市は該当しない」と静観の姿勢をとった。
ケアマネージャーの人材・処遇問題
市内の居宅介護支援事業所に勤務するケアマネージャーは昨年度末時点で137人、うち管理者要件となる主任ケアマネは74人である。市は「新規のケアプラン作成ができない状況にはない」として深刻な不足はないとの認識を示したが、三輪議員は北海道全道アンケートを引きながら実態の深刻さを指摘した。同アンケートでは約4割の事業所が新規依頼を断っていること、給与低下・業務過重で「シャドーワーク」と化していること、ケアマネを希望しない職員が増えていることなどが明らかになっており、小平市でも退院直後に施設を探さなければならず大変苦労したという相談が寄せられていると三輪議員は報告した。
市の対策としては、今年度から「ケアプランデータ連携システム」の導入支援を行うとのことだが、三輪議員は処遇改善そのものへの取り組みと、主任ケアマネの管理者要件についての柔軟な対応を求めた。市は「国において対応を検討中と認識しているので注視する」と述べるにとどまった。
特別養護老人ホームの待機問題
直近の特養待機者数は昨年4月1日現在で134人。待機期間は3か月未満が約4割・1年以内に入所できた方が約8割との調査結果が示されたが、三輪議員は有料老人ホームで「料金が高く出たい」という声があることや、保証会社に依頼して入所している実態も報告し、総合的な実態把握と特養の増設を次期計画に盛り込むよう求めた。市は「高齢者数の動向、利用意向、近隣自治体の整備状況等を総合的に勘案して検討する」と答えたが、増設への積極的な姿勢は示されなかった。
財源・制度改悪への懸念
市の介護保険の市町村負担金(現行12.5%)を25%に引き上げるよう国に要望することを三輪議員は求めたが、市は「他のサービスへの影響が大きく難しい」と拒否。国の公費負担割合引上げの要望についても「現在は行っていない」との回答だった。
「三大改悪案」(①利用料2割負担の対象拡大、②ケアプラン有料化、③要介護1・2の総合事業移行)については、三輪議員が現在の2割負担者は市内769人(7.2%)であることを確認した上で、負担増になれば施設を退所したりサービス利用を減らす人が増えるとする調査結果を示して懸念を表明。市は「受けられなくなる可能性のある方が一定数出てくることは考えられる」と認めつつも「国の制度に従いながら対応する」とした。要介護1・2の総合事業移行については「現時点で制度改正が決まっていないので注視する」という答弁にとどまった。
2040年問題と次期計画への要望
三輪議員は2040年問題(団塊ジュニアが65歳以上となり高齢者割合が約35%に達する)を念頭に、2026年度の臨時介護報酬改定率(2.03%)が全産業平均賃金との格差(約8万円安)を埋めるには不十分であると指摘。介護職員不足は2026年度だけで25万人と試算されており、次期計画において介護人材確保を緊急課題として盛り込むよう強く要望した。市は「ルネ小平での面接会等でも成果が出ている」としつつ、「国の基本指針を踏まえながら検討する」と締めくくった。
質問2:データセンター建設計画は、住民の声を十分反映しているのか
背景と計画の概要
小平市天神町1丁目に建設予定のデータセンターは、2025年9月末に事業者・設計者・運営会社が変更となった後、2026年5月に住民向け説明会が開催された。スケジュールは7月中旬〜9月に既存建物の撤去・仮囲い設置、10月〜2028年3月に1期新築工事、2029年12月に2期工事完了という計画である。この地域は住宅密集地であり、周辺には小中学校の通学路・介護施設・保育園もあることから、安全・排熱・騒音・重油管理・環境への影響について住民の不安が高まっており、当日も多数の住民が傍聴に訪れた。
重油の貯蔵と火災リスク
最大の焦点の一つが重油の貯蔵量と安全管理である。事業主の計画では10万リットル容量のオイルタンクを11機、合計110万リットルを地下に貯蔵するとのことで、管理方法は鉄筋コンクリートで覆われた二重殻タイプのタンクに油漏れ検知センサーを設置する方針。コンクリートの厚さについて三輪議員が確認を求めたところ、都市開発部長は「確認できていない」と答えた(5月の事業主説明会では600ミリメートルとの説明があったという)。
重油の保存は年1回の定期補給によって管理するとのことだが、三輪議員は酸化・劣化による品質変化やフィルター詰まりのリスク、地盤沈下や高電圧埋設工事による地盤の緩みからの漏出可能性も指摘した。
重要な論点として、建築基準法施行令第130条の地下貯蔵槽として計画しているため危険物数量の算定対象外となり、消防法上の貯蔵量制限が適用されない点が明らかになった。三輪議員はこの「法の隙間」を指摘しつつ、消防署との協議内容を市として把握・確認するよう求めたが、市は「適切に協議の中で指導を受けていくものと考える」とするのみで、協議内容については承知していないと答えた。
煙突38本と排気・健康影響
事業主から煙突38本設置という計画が5月の説明会で初めて示され、住民に大きな驚きを与えた。38本はすべて非常用発電機用であり、コモンレール式発電機を採用することで黒煙を抑制するという。点検のための稼働は毎月1回(約30分の無負荷運転)・年1回の法定点検(30〜60分)・設置後の稼働試験の3パターンで、原則として平日日中に実施し住民への周知を検討しているとのことだった。
三輪議員は煙突から黒煙が上がる映像がテレビで報道され住民が驚いたと述べ、排気(窒素酸化物)の人体影響を質問。村田環境部長は「一酸化窒素は血液中のヘモグロビンをメトヘモグロビンに変化させ、二酸化窒素は肺の深部細胞に入り込んで呼吸系の炎症を引き起こす」と答弁した。三輪議員は排気口が住宅側を向かないよう配慮を求めたが、市は「なるべく中央に計画している」との事業主説明を伝えるにとどまった。
工事期間中の通学路安全
工事期間中は大型工事車両が通学路を通行するほか、稼働後もサーバー入れ替えのために週2回の大型車両搬入が予定されているという。三輪議員は子どもたちの登下校時間帯との重複を懸念し、警察署・教育委員会との連携を求めた。市は「事業主に近隣学校等と十分調整するよう指導する」と答えたが、市が直接関与する体制については明確にされなかった。
説明会・住民対話の課題と市の立場
5月の住民向け説明会は会場が満杯になるほど多数の住民が参加し、質疑応答の時間が大幅に不足した。施工業者がまだ決まっていないことへの不安も大きく、「施工業者もその場にいて質問に答えてほしかった」という声がほとんどだったという。市の次の予定は8月頃の施工業者による工事説明会であり、その前に施工業者との契約締結が行われる見通しである。
市の基本姿勢は、あくまで開発条例に基づく手続きの中で「事業主に丁寧な説明をするよう指導する」立場に徹するというものである。三輪議員は独自の環境基準設定・振動騒音の環境測定機器設置の要望・事業主と住民と市による三者協議の場の設置を次々と求めたが、市は「環境基準は国が定めるもの」「開発条例の手続きに従う」として、いずれについても積極的な応諾を示さなかった。工事が始まった後の苦情受付については、事業主と市の双方で受け付け連携して周知する体制をとるとした。
文字起こし
1件目:介護保険制度の危機を防ぎ、高齢者も 現役世代も安心できる制度へ
■ 初問
三輪議員:
介護保険制度が発足して25年が経過しました。公的介護サービスを届ける環境を整えてきた一方で、介護離職が年間10万人に上るなど、家族の負担が重くなる事態が広がっています。ケアマネージャーの処遇・業務改善は緊急課題です。
2025〜2026年は第10期介護保険事業計画見直しの年でもあります。介護労働者の抜本的な処遇改善、介護報酬の引上げ、利用者の費用負担の軽減など、介護保険制度の大幅な改善が必要です。本年度、小平市地域包括ケア推進計画が改定されますので、以下の点について質問いたします。
〔質問事項〕
- 2024年度の訪問介護基本報酬引下げにより、訪問介護事業所は極めて深刻な状況です。2025年度、市内の訪問介護事業所で倒産・廃業となった件数について伺います。また、ヘルパーの人手不足・高齢化による退職への市の対策についても伺います。
- ケアマネージャーの過剰な業務負担に対する市の対策について伺います。
- 2026年5月現在の特別養護老人ホーム待機者数について伺います。いわゆる「介護難民」解消に向けて、次期計画に特別養護老人ホームの増設を盛り込むべきと考えますが、見解を伺います。
- 共同通信社の自治体アンケート調査(2025年6〜7月)によれば、約9割を超える自治体が介護保険サービス提供体制の持続に危機感を持っています。市として国の公費負担割合の引上げを要望すべきと考えますが、見解を伺います。
- 利用料の2割負担の対象拡大、ケアプラン有料化、要介護1・2の生活援助サービス等の総合事業移行などのいわゆる「最大改悪案」は、利用者には給付削減・負担増、事業所には人手不足と経営難という、制度として深刻な機能不全を招くと懸念します。市として必要な介護サービスが必要な人に届くよう、機能不全に陥らない対策を講じる必要があると考えますが、見解を伺います。
■ 市長答弁
小林市長:
(第1点)訪問介護事業所の廃業件数と人手不足対策
昨年度、東京都に事業所の廃止届があったのは4件です。人手不足対策として、ヘルパーとして働く上で受講が必須となる介護職員初任者研修の受講費用への助成を行うとともに、東京都が実施している訪問介護採用応援事業や介護職員・宿舎借り上げ支援事業などの周知を行っています。
(第2点)ケアマネージャーの過重な業務負担への対策
本年度、委託介護支援事業所と委託サービス事業所とのケアプランのやり取りをオンラインで完結する「ケアプランデータ連携システム」の導入支援を実施します。本システムの導入が進むことで、業務の効率化・負担軽減が図られるものと考えています。また、ケアマネージャーとの連絡会を通じて現状を把握するとともに、問い合わせ内容を整理した手引きを公表しています。
(第3点)特別養護老人ホームの待機者数と増設検討
本年度は6月末時点の調査を予定しているため、5月現在の待機者数は把握していません。直近の把握値は昨年4月1日現在で134人です。増設については、昨年度実施したアンケート調査の結果や国の基本指針、2040年に向けた中長期的な視点に立ちながら検討してまいります。
(第4点)国への公費負担割合引上げの要望
現在、国への公費負担割合の引上げ要望は行っていません。ただし、介護保険料の上昇率の抑制や制度の持続可能性を高めることは重要な課題と認識しており、機会をとらえて国・東京都と意見交換を行ってまいります。
(第5点)介護サービス維持のための対策
介護保険制度開始から25年間、様々な制度見直しの中で、市としては必要な介護サービスが必要な方に届くよう努めてきました。今後も介護を取り巻く環境がさらに厳しくなる中で国において制度の見直しは行われると考えますが、市としては引き続き、利用する方や事業者のご意見を伺いながら、必要な介護サービスの提供に努めてまいります。
■ 再質問(三輪議員)
【訪問介護事業所の廃業理由について】
三輪議員: 4件の廃止届とのことですが、廃業理由について伺います。
櫻井健康福祉部長: 市で把握している範囲では、事業所の統合による廃止や、住宅型有料老人ホームから介護付き有料老人ホームへの業種転換に伴う廃業であり、経営難による倒産・廃業ではないと捉えています。
三輪議員: 2024年4月に政府が訪問介護基本報酬を2.3%引き下げたことで全国的に経営難・倒産・廃業が広がっています。岩手県花巻市では2024年に23か所あった訪問介護事業所が2026年現在20か所に減少し、2025年8月の臨時議会で基本報酬引下げによる減収分を支援金として補填する補正予算(約916万円)が決定されました。岩手県宮古市でも独自に赤字事業所への支援金給付事業を実施しています。小平市でも同様に独自の実態調査を行う必要があると考えますが、見解を伺います。
櫻井部長: 日々の業務の中で事業所との情報連携を行っておりますので、そういった中でいろいろな状況を把握していきたいと考えています。
【特定地域サービス事業について】
三輪議員: 現在、全国の市町村2割超で訪問介護事業所がゼロか残り1か所という状況になっています。5月22日の衆院厚生労働委員会で可決された改定案には、中山間地・人口減少地域を対象に介護施設の人員配置基準を緩和する「特定地域サービス」創設が含まれています。大都市部への導入も検討されているとのことですが、報酬引上げのない配置基準緩和は過重労働・離職増・現場破綻を招く懸念があります。この特定地域サービス事業について、市の把握状況をお示しください。
櫻井部長: 詳細な情報は持ち合わせていませんが、人口減少が進む地域において全国一律の人員配置基準やサービス形態の維持が難しい地域に柔軟なサービスを可能にする制度と認識しています。小平市はここには該当しないと捉えています。
三輪議員: 訪問介護事業所がなくなっていくことは国が進める地域包括ケアにも逆行すると考えますが、市の見解を伺います。
櫻井部長: 地域によって様々な状況があります。いずれにしても国が介護保険制度を構築していきますので、市としては注視しながら地域包括システムの構築に取り組んでいきたいと考えています。
【ケアマネージャーの人員・処遇について】
三輪議員: 現在、市内事業所に勤務しているケアマネージャーの人数について伺います。
櫻井部長: 昨年度末時点で137人です。
三輪議員: この137人は不足していませんか。
櫻井部長: 毎月、居宅介護支援事業所の調査を行っており、新規のケアプラン作成が全くできないという状況にはありませんので、そこまで不足しているとは捉えていません。
三輪議員: 2024年から主任ケアマネが管理者要件となりました。現在の主任ケアマネの人数について伺います。
櫻井部長: 昨年度末時点で74人です。
三輪議員: 北海道では全道アンケートにより、ケアマネージャーが処遇改善の対象外とされ続け、「シャドーワーク」と呼ばれる様々な地域課題を背負って疲弊している実態が明らかになっています。約4割が新規依頼を断るという結果も出ています。小平市でも退院後すぐに施設を探さなければならず大変苦労したというご相談を伺っています。こうした実態を市として把握していますか。
櫻井部長: ケアマネージャーの方々が大変な思いで業務を進めていただいていることは把握しています。昨年度実施したケアマネージャー対象のアンケート調査やケアマネ連絡会・主任ケアマネ連絡会を通じて、声をしっかり拾っていきたいと考えています。
三輪議員: ケアマネの処遇改善・業務整理がなされなければ退職・人材流出が進むことは明らかです。管理者要件である主任ケアマネについて、柔軟な対応も必要ではないかと考えますが、見解を伺います。
櫻井部長: 現在は主任ケアマネでなければ管理者になれないという原則になっています。質の高いケアマネジメントの観点からも原則として維持したいと考えていますが、国においても現在この主任要件の対応について検討が行われているとのことですので、国の動きを注視してまいります。
【特別養護老人ホームの増設・有料老人ホームの実態について】
三輪議員: 待機者134人という状況の中、現在有料老人ホームに入所しているが料金が高くて出たいという声も伺っています。市としてこのような実態を把握することも必要と考えますが、見解を伺います。
櫻井部長: 自己負担が大きく苦労されている方がいることは認識しています。入居を検討する際は資産状況を考慮して無理のない施設を選んでいただくことが重要です。市では「介護保険サービス事業所ガイドブック」で施設内容や使用料の目安を掲載していますので、参考にしていただければと考えています。
三輪議員: 次期計画改定にあたり、特別養護老人ホームの増設はどういう基準で検討されるのですか。
櫻井部長: 待機者の状況に加え、高齢者数の動向、アンケートによる利用意向・ニーズ、近隣自治体の整備状況などを総合的に勘案して検討してまいります。
三輪議員: 小平市での平均待機年数について伺います。
櫻井部長: 平均は把握していませんが、昨年度のアンケート調査によれば、待機期間3か月未満が約4割、3〜6か月が15%、6か月〜1年未満が21%となっており、申し込みから1年以内に入所された方が約8割です。
三輪議員: 特別養護老人ホームは費用を抑えやすく、24時間の介護サービスが受けられ、終身利用が可能です。介護離職を選択せざるを得ない家族にとっても安心できる選択肢が広がります。増設を前向きに検討してほしいと考えますが、見解を伺います。
櫻井部長: 様々な事情を総合的に勘案して検討します。在宅サービスを希望される方もかなり多くいらっしゃいますので、そのニーズも踏まえながら検討してまいります。
【公費負担割合・介護保険財政について】
三輪議員: 現在の市町村負担金は12.5%ですが、これを25%に引き上げるよう要望してほしいと考えますが、見解を伺います。
櫻井部長: 市の負担を引き上げると市の財源から手当てすることになり、他のサービス・事業に大きな影響が出ます。なかなか難しいと考えています。
三輪議員: 厳しいと感じている要因はどのようなものですか。
櫻井部長: 高齢化が進み介護が必要な方が増えていくことで、現在の介護制度をどう維持するかが非常に難しい課題です。市としてできること、国に制度として変えてもらうことなど、様々な状況を見ながら国の動向を注視しつつ市のできることをやっていきたいと考えています。
【利用料2割負担の拡大・三大改悪案について】
三輪議員: いわゆる「三大改悪案」は2022年の見直しの際に阻止できましたが、第10期計画前に結論を得ると報道されています。現在、市内の介護保険利用者で2割負担の方の人数について伺います。
櫻井部長: 令和6年度では2割負担の方は769人(7.2%)です。
三輪議員: 利用料が1割から2割になった場合、施設を退所する・サービスの利用回数を減らすという調査結果もあります。財政面での不安から必要なサービスを受けられない人が増えてしまうのではないかと懸念しますが、見解を伺います。
櫻井部長: 負担が増えれば受けられなくなる可能性のある方も一定数出てくると考えられます。市としては国の制度に従いながら、なるべくサービスを受けられるよう対策を考えていきたいと捉えています。
【要介護1・2の総合事業移行について】
三輪議員: 要介護1・2の生活援助サービス等を総合事業に移行するということは、全国一律の基準で保障される給付から市町村の事業に応じた実施に切り替えることを意味します。介護保険部会でも「総合事業はまだ途上」「要介護1・2の方は認知症の方が多く専門職の関わりが不可欠」と慎重な意見が多数出ています。地域によってサービスに差が生じないようにしてほしいと考えますが、市の見解を伺います。
櫻井部長: 現時点では制度改正が決まったわけではないので、今後の国の動きを注視してまいります。
【2040年問題・介護人材確保・次期計画について】
三輪議員: 介護職員不足は2026年度で25万人という統計もあります。全産業と比べて賃金が8万円安いというデータもあります。2026年は臨時の介護報酬改定が行われますが、改定率は何%でしょうか。
櫻井部長: 改定率は2.03%です。
三輪議員: 第9期計画で示された人材確保策(介護職員資格取得支援事業、介護人材確保事業の周知、生活サポーター養成)以外にも、緊急の課題として次期計画に盛り込むべきと考えますが、見解を伺います。
櫻井部長: 介護職員の人員不足は大きな課題と捉えています。初任者研修費用の助成、都の事業の周知のほか、ルネ小平でのお仕事面接会・相談会でも一定程度の成果が出ています。今後もこのような形で計画に盛り込んで対応してまいります。
三輪議員: 厚生労働省が議論している2040年問題では、1970年代前半生まれの団塊ジュニアが65歳以上となり、高齢者の割合が約35%に達します。身寄りのない高齢者や個別の生活課題がますます大きくなることが予想されます。次期改定に合わせて対策を講じるべきと思いますが、見解を伺います。
櫻井部長: 身寄りのない高齢者の問題は非常に重要と捉えており、今後さらに拡大することが懸念されます。小平市としては介護保険法の下での制度に基づきながら対応し、国の基本指針を踏まえながら次期改定の内容を検討してまいります。
三輪議員: 現在の介護保険制度は崩壊の危機にあります。そのような視点で次期計画に対策を盛り込んでほしいと強く要望します。
2件目:データセンター建設計画は、住民の声を十分反映しているのか
■ 初問
三輪議員:
小平市天神町1丁目にデータセンターが建設予定ですが、2025年9月末に事業者・設計者・運営会社が変更となりました。2026年5月に住民向け説明会が開催され、7月中旬〜9月に既存建物の撤去・仮囲いの準備工事、10月から2028年3月に1期新築工事、2029年12月に2期工事という予定が発表されました。
この地域は住宅密集地であり、周辺には小中学校の通学路、介護施設、保育園もあることから、安全面や排熱・騒音・重油管理・環境影響への不安の声が高まっています。市として安全・安心に配慮し、近隣住民・事業者とともに三者一体で協議することが必要と考えます。以下、質問いたします。
〔質問事項〕
- 非常用発電機に使用される重油の量と管理方法、火災発生時の事業者と市の対策について伺います。
- 大規模な災害(地震・火災等)によりデータセンター周辺で発生し得る被害の想定と、事業者・市の対策について伺います。
- データセンターには冷却用と非常用発電機排気用の2種類の煙突がありますが、設置予定本数と煤煙等の排出対策について伺います。
- 工事期間中、小中学校の通学路に大型車両が往来します。子どもたちの安全を守るための対策について伺います。
- 5月の説明会では施工業者が決まっていないことに多くの方が不安を感じていました。施工業者の決定時期と、住民向け工事説明会の実施予定について伺います。
- 全国的にデータセンター建設が相次ぐ中、近隣住民との十分な話し合いなく着工される事例も生じています。市として環境基準の設定や指導・監督を行うことも必要ではないかと考えますが、見解を伺います。
■ 市長答弁
小林市長:
(第1点)重油の量・管理方法・火災対策
事業主からは、10万リットル容量のオイルタンクを11機(合計110万リットル)地下に貯蔵する計画と伺っています。管理方法については、鉄筋コンクリートで覆われた二重殻タイプのオイルタンクを採用し、油漏れ検知センサーを設ける計画です。火災が発生した場合は、管理人が24時間体制で常駐するため発災後速やかに消防へ連絡する体制が整えられると伺っています。市としても小平消防署及び消防団により適切な消火活動が行われるものと認識しており、関係機関と連携しながら周辺住民への情報提供に努めてまいります。
(第2点)大規模災害時の被害想定と対策
事業主からは、免震構造の採用や各種法令遵守により建物の倒壊・大規模火災が想定しづらい計画となっていること、また近隣建築物との隔離を十分に確保することで延焼しづらい計画としていると伺っています。被害発生時も管理人の24時間常駐体制で速やかに消防へ連絡する体制が整えられます。市としても、火災発生時には小平消防署・消防団により適切な消火活動が行われるものと認識し、関係機関と連携して周辺住民への情報提供に努めてまいります。
(第3点)煙突の本数と煤煙対策
事業主からは煙突を38本設置する計画であり、すべて非常用発電機用として使用すると伺っています。煤煙対策については、黒煙を抑えることができるコモンレール式非常用発電機を採用すると伺っています。市としても状況に応じて東京都と連携して対応してまいります。
(第4点)工事期間中の安全対策
事業主からは適切に交通誘導員を配置すると伺っています。工事車両の規模や通行経路についても、近隣の小中学校やその他関係機関と十分に調整を図るよう事業主に対し指導してまいります。
(第5点)施工業者の決定時期と住民説明会
事業主からは、本年8月頃に住民向けの工事説明会を実施予定であり、その前に施工業者と契約を締結する予定と伺っています。
(第6点)環境基準の設定と指導監督
環境基準は環境基本法に基づき国が定めるものですので、市が単独で環境基準を設けることは考えていません。また指導監督については、「小平市開発事業における手続き及び基準等に関する条例」に基づき、土地利用構想の縦覧、住民説明会の開催、意見書の受付・見解書の縦覧、調整会の開催など、周辺住民が事業主に意見を述べる機会を設けています。引き続き相談窓口を閉ざすことなく十分な説明を行うよう事業主に指導してまいります。
■ 再質問(三輪議員)
【重油の管理について】
三輪議員: 重油110万リットルを深さ何メートルのコンクリートで保管するのでしょうか。
金子都市開発部長: 深さについては確認できていません。
三輪議員: 5月16日の事業主説明会では600ミリメートルと言っていたと思いますので、ぜひ確認をお願いします。地盤沈下や高電圧工事で地盤がもろくなる場合も漏れることは想定されるのでしょうか。
金子部長: 特別高電圧の埋設工事が東側の道路下に予定されています。地下埋設で高圧線を引き込む際は、埋め戻し時に低圧を確実に行うことで地盤の緩みに対応していくと伺っています。
三輪議員: 重油の保存期間について伺います。
金子部長: 年1回、タンク通りの出入りによって補給する定期的な燃料補給が行われると伺っています。
三輪議員: 大量の重油を常時備蓄する施設が、この住宅密集地で認可が下りた理由について伺います。
金子部長: 本計画では重油タンクは地下に貯蔵する計画となっています。建築基準法施行令第130条第1項の地下貯蔵槽として計画しており、この場合は危険物数量の算定対象外となるため、特段の貯蔵量等の規定がありません。
三輪議員: 消防法では厳しい多重の安全対策が求められますが、事業主と消防署の協議はどのように行われているのでしょうか。
金子部長: 現在、本計画全体について消防との協議が行われています。市としては協議内容は承知していませんが、適切に協議の中で指導を受けていくものと考えています。
三輪議員: 7月から工事が始まりますので、重油の量・保存方法・管理方法に関して近隣住民の不安が高まっていることを改めて要望します。
【隣地との隔離距離について】
三輪議員: 「隔離を十分に確保」とのことですが、計画では10メートルほどしか離れていないとのことです。全国でも珍しい住宅密集地に隣接したデータセンターとして、これは十分と言えるのでしょうか。
金子部長: 「これだけ離れなければならない」という基準があるわけではありません。事業主からは総合的に検討して最大限の隔離を確保する計画としていると伺っています。
【煙突の点検・排気について】
三輪議員: 煙突38本というのは、5月の事業主説明会で初めて聞いた数字で住民の方も驚かれていました。非常用発電機の点検回数について伺います。
金子部長: 点検には3パターンあります。①毎月1回、1台あたり約30分の無負荷運転による点検、②年1回、法定負荷発電機全数を約30〜60分稼働させる法定点検、③工事中の発電機設置後の稼働試験の3種類です。原則として平日日中を想定しており、稼働の際には周辺住民への周知を検討していると伺っています。
三輪議員: 近隣住民にきちんと知らせていただけるようお願いします。また、排気口が住宅側を向かないよう配慮してほしいと考えますが、見解を伺います。
金子部長: 煙突については、周辺への影響ができるだけないよう、なるべく中央に計画していると伺っています。
三輪議員: 煙突から黒煙が上がる映像がテレビで報道され、驚かれた方も多くいらっしゃいます。窒素酸化物(排気)が人体に与える影響はどのようなものでしょうか。
村田環境部長: 窒素酸化物は一酸化窒素と二酸化窒素の総称です。一酸化窒素は血液中のヘモグロビンを有害なメトヘモグロビンに変化させるとされています。一方、二酸化窒素は肺の深部の細胞に入り込み、呼吸系の炎症を引き起こすと言われています。
三輪議員: 住民の方が非常に不安を感じていますので、事業主ときちんと協議をしていただくようお願いします。
【工事期間中の大型車両について】
三輪議員: 工事用車両以外の大型車両はどのような場合が想定されていますか。
金子部長: サーバーの入れ替えのため週に2回の搬入があると伺っています。
三輪議員: 7月から工事が始まりますので、通学時間と重なり危険という声が多数出ています。警察署や教育委員会とも連携して子どもたちの安全確保に努めていただきたいと要望します。
【住民説明会のあり方・施工業者の決定について】
三輪議員: 5月の説明会は会場がいっぱいになり、質疑応答の時間も足りず大幅延長となりました。施工業者が決まっていないという説明に、「施工業者もいて質問に答えてほしかった」という声がほとんどでした。この意見をどう受け止めていますか。
金子部長: 周辺住民の皆様に様々な不安・懸念が生じていることは承知しています。環境面・安全面の対策について周辺住民に丁寧に説明するよう、引き続き事業主に指導してまいります。
三輪議員: 施工業者が決まり説明会が開かれる予定ですが、工事が始まった際に近隣住民から苦情があった場合、どのような体制で連絡・周知・指導を行うのでしょうか。
金子部長: 事業主に入る情報も市に直接入る情報もあります。事業主と連携して適切な周知に努めてまいります。
【振動・騒音の環境測定と三者協議について】
三輪議員: 振動や騒音の環境測定機器の設置を要望する声がありますが、事業主にその設置を要望してほしいと思いますが、見解を伺います。
金子部長: 周辺住民の皆様の不安に対応できるよう、安全面・環境面を含めて周知できるよう事業主に伝えてまいります。
三輪議員: 最後に、市はあくまで開発事業として中立の立場であるとのことですが、これだけ多くの市民が不安に感じています。事業主・住民・市の三者が協議する場を設けてほしいと要望しますが、見解を伺います。
金子部長: 開発条例に従い適切な手続きを進め、事業者に対しては適切な指導に努めてまいります。
(以上で三輪ひろみ議員の一般質問を終了)
